スクール水着のM古泉とかっこよくて冷たいキョンで合体執事喫茶パロ(できれば)の前半部分を一応クリアしたんだと思うよ!
次郎さん、次郎さん、次郎さん。会う人は皆僕の名を呼ぶ。だから食べる。
僕は情けない事に少し期待していたのかもしれないが、父にも声をかけた。僕を次郎と呼んだ。だから食べた。
もう僕の名を知る人は家の中にいない、というのはなかなか面白い。僕はどうやら自分が思っていたより早く死んでしまっていたようだ。
家の中に一樹と僕を呼べた人はいなかった。だから食べた。人間は、旨い。
次に僕がすべきは記念すべき蝶能力者の生誕を祝う事だ。学校を壊す。学校の人間は食べる。そうすればいいと思うととても興奮する。
けれど忘れてはいけない。その先に僕を邪魔するものがあるのだ。あの生意気な偽善者――キョンだとかいうふざけたあだ名のあの男。
だから僕は彼に会いに行った。きちんとうちひしがれましたか? と聞いて、
そして自らの吐血に見舞われた。
口に懐かしい血の味が広がる。なぜ、なぜ――どうして! 僕はやっと人間ではなくなったのに!
「お前の変身は失敗だったんだ、古泉一樹。完成前のホムンクルスを使った事で不具合が出た。お前は病気の体のまま、ホムンクルスになっちまったんだよ」
答えたのはむかつく声だった。二つの槍を両手に持った瞳がこちらを見ている。
ああ、とため息が出た。そんな瞳で見つめないでくれないか、といいそうになった。
「それは残念です――でも、貴方がいる。もう一つの命がある」
パンツに手を入れると慣れた鍵の感触がある。
「解毒剤は培養気背面のボックスの中です。この鍵以外だと――即爆発だ。
さあ来なさい。貴方を倒して核金を手に入れ、女を従え何もかも焼きつくしてやる!」
鍵を飲む僕を止められはしなかったけれど、させるかと、そういった後の彼の動きは迅速だった。僕も対応して、戦って、殴り合って、打ち合って――そして僕の負けだった。けれど彼はまだ僕にとどめを刺そうとしない。
「古泉、俺は」
「僕はもう戻れない。鍵は僕のお腹の中ですよ。さあ、どうぞ」
僕は死ぬんだと思った。けれども不思議とすっきりしていた。
「すまない。古泉一樹」
彼が謝る。―――僕の名前を、呼んでいる。
ああまったく、
「謝らないでくださいよ、偽善者」
そうして僕は吹き飛ばされた。最後はパンツ一丁だったけれど、まあ悪くない最期だったんだと、思う。
END
↓反転で後書きです。読んでやろうという方はどうぞ。
武装錬金パロで、蝶能力者古泉とカズキキョンでした。
Twitterにて、「10回RTされたらリクエストで古キョン書く」というつぶやきを投下、見事TLの皆様に敗北した結果のものを書いて、そんでもってこっちも思いついていたので書きました。もっと愛を込めれたはずなんです…私の…私の小説の腕さえあれば…!
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